夢少年

穂村たかと

近未来、人間社会においてすでにその存在を安泰なものにしていたロボットは、人間性を過剰なまでに再現することに成功していた。それぞれの役割を担ったロボット達は、不安と共にむしろ好意を持って人々に受け入れられる風潮にあった。 逆に事情によりかなりの部分を機械化された人間は、非人間的扱いを受け、弾みで人間社会に敵対するテロリストに転向してしまう傾向を生んでいた。 世界平和維持に伴う特殊破壊工作に従事するロボット達の中でも、身体能力、そして人間臭さにおいて世界的にも秀抜な少年型ロボット「梨音」は、普段はなぜか介護ロボットとして日本の養老施設で働いており、また子供達からも慕われていた。 日々世界の保安活動と介護業務に明け暮れる中、一連のテロリストの首謀者が、梨音の常駐するロボット管制センター上空に姿を現す。ニュートロン爆弾を用い全人類を人質にとる形で、最も目障りな梨音の自爆を要求してきたのだ。 彼の謳う「人類滅亡による、地球本来の自然の復活」という綺麗事のシナリオは、梨音を始め管制スタッフ達にも、到底受け入れられるものではなかった。梨音は説得に向かうものの、結局ムダに終わる。そしてその時梨音の頭に浮かんだイメージとはなぜか、介護施設で知り合った立風という聡明な高齢女性の口から語られた、とてつもない宇宙観だった。 敵の言葉に一瞬心惑わされたものの、梨音は愚直に人々を信じ、立風の思いに殉じる形で、敵と最期を共にし…結果的に人類は救われる。

ジャンル - 青年コミック
SF ファンタジー メカ・ロボット

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